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開店準備期間が短縮できる

開店準備期間が短縮できる

経験のない人にはイメージしにくいかもしれないが、飲食店のオープンというのは、想像以上に大変で時間のかかる仕事である。とくに、店舗の工事は手抜きをしたり、突貫工事を敢行するというわけにはいかないから、それなりの時間がかかることを覚悟しなければならない。

一般的な新店舗でのオープンまでの手順を具体的に追っていくと、次のような流れになる。まず物件探しがある。物件が決まれば設計施工業者に依頼して、どんなお店にするのかを煮詰めていかなければならない。内外装のデザインはどうするのか。自分の思い描いていたお店にしたいところだが、投資できる予算の制限もあるから何もかも自分のイメージ通りにというわけにはいかない。業者と

相談しながら、デザイン、材料などを決めていくことになる。設計が決まってようやく内装工事に入る運びとなるが、ここからがまた大変だ。個店の工事は、チェーン店のようにユニットを組み立てていくわけではない。マイホームと同様、基本的にオリジナルの大工工事である。しかも、ここでも予算があるから、工事の人数も限られてしまう。

そうこうしている間に一カ月などすぐに過ぎてしまったりするわけだが、忘れてはいけないのは、この工事の間も家賃は発生しているということだ。まだ営業していない、つまり利益を生み出していないのに、家賃という経費は支払っている状態。それが工事期間中なのである。一方、居抜き店舗でのオープンの場合はどうかというと、このカラ家賃を支払う期間を大幅に短縮することができるのだ。

では、どれくらい短縮できるのか。これは、店舗物件そのもののつくりや古さ、そして、どんなお店にするのかという営業プランによっても違ってくるが、通常の半分程度が目安になる。居抜き店舗とは、厨房設備や空調設備などの設備機器類からイスやテーブルなどの什器備品まで、お店の営業に必要なものが一応揃っている物件である。それらの造作をそつくり譲り受けるために造作譲渡代金を支払うが、一般の新店舗に比べて、保証金などを含めた取得費自体はかなり安くなるが、この造作がすでにあるということが大きいのだ。

新店舗の場合は、 一からすべての工事をしなければならない。しかし、居抜き店舗の場合は、すでに揃っている内装や設備機器類を上手に利用する改装工事だ。工事期間を大幅に短縮できるのはそのためである。

著者紹介:宇井 義行
コロンブスのたまご 創業者・オーナー

学業のかたわら、18歳から飲食店で働きながら実践的な飲食業を学び、23~25歳で6店舗の飲食店経営を手掛け、超繁盛化。赤字店の1ヶ月での黒字化など奇跡を起こし注目を集める。 26歳の時、実践的な「飲食コンサルタント」として独立。個性的な店、地域一番店を目指し、情熱ある現場直接指導に力を注ぎ、 全国の飲食店3000店舗以上を指導。指導歴日本一のフードコンサルタントとして数多くの難問を解決。不振店を繁盛店へと生まれ変わらせる手腕は業界屈指のリーダーとして国内外で高く評価されている。