私が提案する、居抜き店舗を活用してお店をオープンするやり方は二つある。ひとつはオリジナルフードパッケージをつくる方法。もうひとつは、ライセンスフードパッケージまたはFCパッケージでオープンするやり方だ。ここではまず、オリジナルフードパッケージのつくり方について簡単に説明しておこう。
飲食店をオープンしたいと思っている人には、こんなお店をやりたい、あんなお店をオープンしてみたいといった、それぞれの希望の業種業態があるはずだ。飲食店ビジネスに大きな夢を懸けようとしているのだから、かなり具体的な青写真を描いている人も少なくないのではないかと思う。
そういう開店希望者のいろいろな要望をできるだけ取り入れながら、そこに立地特性や地域のニーズを加味して店舗力のあるお店に仕立てる。それが、オリジナルフードパツケージである。
こんなお店をやりたいと希望を持つことは大切だ。自分の夢を実現できるとなれば、意欲もパワーも湧いてくる。精一杯努力しようという気力がなければ、飲食店ビジネスで成功することはできない。
しかし、ビジネスは甘くはない。自分の思い描いた夢の通りに実現できるのなら、だれも苦労はしない。飲食店ビジネスの成功は、この夢と現実とのギャツプをいかに埋めることができるかにかかっているのである。
まず、やりたい業種業態があるといっても、問題はその業種業態が出店する立地特性に合っているかどうかだ。というより、 一般に素人の人は業種については考えても、業態発想がどうしても弱い。
業種業態については別項で詳しく説明してあるが、飲食店というのは業種だけで成り立つものではない。業種よりも大切なのが業態、つまり売り方である。お客様にとって大事なのは、何を食べるかよりもいくらで食べるかだ。そして、その予算は客層やその時の利用動機によって変わってくる。
したがって、確実に成功するお店をつくるには、その立地にどんな客層のどんな利用動機がたくさんあるのか、まずそこを徹底的に調べてターゲットを確定することが不可欠になる。
そのうえで、ターゲットとする客層と利用動機にもっとも受け入れられやすいメニューと価格、サービススタイル、内装などを検討する。そして、競合する他店の傾向をも勘案して、自店のコンセプトを固めていく。つまり業態を決定する。
こうして、あなたなりのオリジナルフードパッケージが出来上がるのである。