飲食業の経験のない人にとって、最もむずかしいのが食材業者選びだろう。親しい飲食店経営者がいて紹介してくれるというのならいいが、自分で探すとなると、なかなか大変な仕事である。
というのも、業者選びの最大のポイントは、業者の質、力量を見極めることだからだ。もちろん、調理師の経験のない人の場合、これは非常にむずかしい課題である。しかし、むずかしいからできないというのでは、シビアな競争を勝ち抜いて成功することはできない。多くの先輩たちは、何もわからないところから試行錯誤を繰り返して成功を自分のものにしているのである。
とくに紹介がないという場合は、主要な食材については最低3社は当たりたい。有力業者の多くは飲食店の専門雑誌などに広告を出しているから、とにかく打診してみることだ。ただし、扱い品目や値段の話を聞くだけでなく、サンプルを取り寄せてみること。わかるわからないではなく、こういうことは自分で比較検討してみることが大事なのである。
もちろん、3社なら3社からきちんと見積もりは取るわけだが、おそらく価格的にはそう大きな開きは出ないはずだ。業種や考えているメニューにもよるが、扱い品目にも大差はないだろう。
ただし、業者によって得意な食材、不得意な食材があるということは知っておくべきだ。ものによっては、品質が大きく違ってくることがある。つまり、何が何でも1社に絞り込む必要はない、ということだ。安いに越したことはないというのも事実だが、食材は商品の品質を直接左右するものだということを忘れてはならない。
小さなお店なんて「ふつうの業者で十分」という人もいる。「ふつうのお店」でかまわないというのなら、それもいいだろう。しかし、ふつうのお店ではなんとか生計は立ったとしても、成功はできない。そこをよく考えることだ。
また、業者の力量ということでは、どんな便宜を図ってくれるのかが問題になる。次に、そのチェツクポイントを挙げておこう。
・材料の品質、価格の安定供給を約束でき、問題があれば返品に応じてもらえること
・業者の通常の配送ルートに乗っていること。ルートからはずれていると、急な注文がむずかしい
・生鮮品の場合は、週に2、3回など、小ロットで小まめに配送してくれること。冷凍という手もあるが、それでも大量仕入は材料ロスを招く元凶である
・イベントなどの企画に協力してくれること。安く、場合によってはサービスで提供してくれるくらいの業者でなければ、わざわざ付き合う必要はない。これからの飲食店は、お客様の来店を促すためのイベントが欠かせないが、通常の仕入でやっていては、採算が合わなくなってしまう
・材料の品質、価格の安定供給を約束でき、問題があれば返品に応じてもらえること
・業者の通常の配送ルートに乗っていること。ルートからはずれていると、急な注文がむずかしい
・生鮮品の場合は、週に2、3回など、小ロットで小まめに配送してくれること。冷凍という手もあるが、それでも大量仕入は材料ロスを招く元凶である
・イベントなどの企画に協力してくれること。安く、場合によってはサービスで提供してくれるくらいの業者でなければ、わざわざ付き合う必要はない。これからの飲食店は、お客様の来店を促すためのイベントが欠かせないが、通常の仕入でやっていては、採算が合わなくなってしまう
その辺の付き合いをわかっている業者を選びたい。いずれにしろ、業者との良好な関係が、安定した仕入の基本である。それには、いわゆる買い叩き的な態度では絶対にダメだ。また、とりあえず使ってみて、期待できないようなら別の業者を探すこと。他の業者に替えたいのに無理して付き合っているというお店がよくあるが、そのために成功できないというのでは、本末転倒である。