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適切な週休は?飲食店の営業時間と休日の決め方

適切な週休は?飲食店の営業時間と休日の決め方

一般に、飲食店の営業時間は業種業態ごとの「常識」に合わせて決めてしまうことが多い。たとえば、ふつうのそば屋は、たいてい夜8時頃で閉店になるが、これは業界の慣習になんとなくしたがっているだけにすぎない。そして、この閉店時間を見直そうともせずに、夜の売上が上がらないで困っていると、こぼすばかりだったりする。これでは、自店の営業方針などないに等しい。

ここまで極端ではなくても、飲食店に常識的な営業時間があるのは確かである。それなりの経験則が働いているのだから、頭から否定する必要はない。しかし、他店はそれでよくても、自店の営業時間は別の問題のはずである。営業時間の設定は、最も効率的に売上を上げることが前提でなければならない。ということは、自店の営業時間は他店に追随するのではなく、自店の営業方針によって決定しなければならないことになる。

最悪なのは、お客様ほしさにダラダラと営業を続けることだ。実際には、いたずらに人件費や光熱費をムダにしているだけで、何の意味もない。

また、営業時間は、業種業態だけでなく、立地条件によっても変わってくる。同じ業種業態でも、夜10時頃には人通りが絶えてしまう立地と、深夜まで人がよく通る立地では、設定が違って当然である。要するに、判断の基準は、お客様が見込めるかどうか、この一点だということだ。

その裏づけを取るには、自店の店前通行量調査をしなければならない。出店場所を決める際の立地調査で、店前通行量調査が不可欠なのは、このためである。どの時間帯にどんな客層が多く通るのかを調査することで、ある時間帯にどんな利用動機が発生するかを予測することができるのだ。

だから、最低でも平日、土曜、日曜の3回調査して、曜日ごとの傾向もつかんでおかなければならない。

ただし、立地調査の項でも述べたように、通常の飲食店の場合はカウンターを使った厳密な調査の必要まではない。小さなお店は少数のお客様で成り立つのだから、おおまかな傾向さえつかめれば十分。オープン後に誤差が出てきたら、その時点で修正すればすむことである。

一方、休日の設定だが、これにも水曜とか木曜といった、エリア内の経験則があるものだ。しかし、これに追随する必要はまったくない。こういう慣習は、週のうち最もニーズが少ない曜日ということで決まって店がいっせいに体業している曜日は営業して、他の曜日に休むという考え方も成り立つわけである。

それではとばかり、チエーン店のように年中無体にするというのは、考え直したほうがいいだろう。たしかに年中無体の個店も少なくない。しかし、無理は禁物だ。商売はアキナイというように、末長く続けていくものだ。疲れがたまってくると、絶対にいいことはない。疲れやストレスがお客様に対するミスという形で出てしまったら、何のための年中無休かわからない。オープン当初は様子を見るために無体で営業してみて、その後は週に1日、少なくとも月に2、3回は休むようにすべきである。

著者紹介:宇井 義行
コロンブスのたまご 創業者・オーナー

学業のかたわら、18歳から飲食店で働きながら実践的な飲食業を学び、23~25歳で6店舗の飲食店経営を手掛け、超繁盛化。赤字店の1ヶ月での黒字化など奇跡を起こし注目を集める。 26歳の時、実践的な「飲食コンサルタント」として独立。個性的な店、地域一番店を目指し、情熱ある現場直接指導に力を注ぎ、 全国の飲食店3000店舗以上を指導。指導歴日本一のフードコンサルタントとして数多くの難問を解決。不振店を繁盛店へと生まれ変わらせる手腕は業界屈指のリーダーとして国内外で高く評価されている。