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飲食店の設計・施工業者の選び方

飲食店の設計・施工業者の選び方

お店というのは、設計・施工業者によつてずいぶん変わる。業者選びはくれぐれも慎重に進めてほしい。設計も施工も、業者を選ぶ最大のポイントは飲食店専門の業者ということだ。ひと口に設計・施工業者といっても、得意分野はさまざまである。飲食店専門と宣伝している業者でも、業種や業態によって得手不得手があるものだ。ましてや、飲食店の経験のない業者では、 一応はカッコのいい内装デザインはできても、お店の機能性や使い勝手に問題が出てくることが多い。

たとえば、カウンターの幅や高さひとつで、お客様の居心地感はずいぶん違ってくるし、お客様の居心地のよさを大事にしながら席数を確保するのは、それほど簡単なことではない。専門で、なおかつ実績のある業者との差は、デザインではなく、そのあたりのノウハウにはっきりと出てくる。厨房機器類のメーカーや販売店とのパイプがあるかどうかも、大事なポイントだ。

また、工事をスムーズに進行させるには、内装、厨房、空調の各工事を一括して任せられるところがベスト。そして、職人、監督を自社で抱えている業者を選ぶといい。下請けばかり使っている業者では、責任の所在が曖昧になりがちだ。完成後の手直しなどアフターサービスからいえば、地元の業者がいいだろう。

業者の実績は、その業者がこれまでに扱ったお店を教えてもらい、自分の日で確かめること。できればお客様として食べてみて、居心地感や細かい仕上げなどもチェツクする。きちんと話を通せば、厨房も見学させてもらえるはずである。

そして、これは非常に大切なことだが、できれば最低3社から相見積もりを取って、内容を比較検討してみることをおすすめする。そうすれば、素人でもかなり客観的な判断が下せるはずだ。

見積書の見方では、「○〇一式」という項目が多く、個々の数量や種類などが省略されているかどうかが、最大のチェックポイントだ。単純に安い、高いに気を取られてはいけない。見積書の総額は安くても、他の業者に記載されている項目が抜けていることがある。そういう業者は、後になってから「追加」を請求してくるから注意が必要だ。機器類、什器備品類はすべて、カタログか実物で確認させてもらう。

業者との打ち合わせでは、店舗はあくまでビジネスの場だということを忘れないように。ビジネス発想がないと、ついお金をかけすぎたり、業種業態にそぐわないお店にしたりしてしまいがちだ。

こちらの希望を無視して、流行のデザインや自社のデザインパターンを押し付けてくる業者はやめておいたほうが無難。お客様は店舗デザインだけで呼べるものではないし、打ち合わせを面倒がるようでは、とても安心して任せることはできない。

業者選びは簡単ではない。しかし、肝心のお店をつくるのは業者だし、投資額も最も高い。安易に決めてしまっていいわけがない。

著者紹介:宇井 義行
コロンブスのたまご 創業者・オーナー

学業のかたわら、18歳から飲食店で働きながら実践的な飲食業を学び、23~25歳で6店舗の飲食店経営を手掛け、超繁盛化。赤字店の1ヶ月での黒字化など奇跡を起こし注目を集める。 26歳の時、実践的な「飲食コンサルタント」として独立。個性的な店、地域一番店を目指し、情熱ある現場直接指導に力を注ぎ、 全国の飲食店3000店舗以上を指導。指導歴日本一のフードコンサルタントとして数多くの難問を解決。不振店を繁盛店へと生まれ変わらせる手腕は業界屈指のリーダーとして国内外で高く評価されている。