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飲食店が看板を重視しなければならない理由

飲食店が看板を重視しなければならない理由

飲食店にとって、看板は非常に重要な意味をもっている。その意味とは、言うまでもない。自店の存在を知らせるということだ。

ところが、はじめてオープンする人たちばかりでなく、すでに営業している飲食店の多くが、このことに気づいていないのである。だから、たいていのお店はほんの付け足し程度、申し訳程度の看板を出しているだけで、平気な顔をしている。それでも繁盛できている場合はいいが、お客様が少なくて困っているというのに、看板を見直そうという発想が出てこないらしい。

どうしてそれほど看板が重要なのか。看板がなければ、そこにお店があること自体がわからないからだ。いや、 一応は看板を出しているといっても、その看板が通行人の目に止まらなければ、通行人にとって、そこにお店はないも同然なのである。

多くの飲食店が看板を軽視しがちなのは、「自店はけっこう知られているはず」という思い込みがあるためだ。ちょっとよく見れば、気づかないはずがないというわけだ。こうなると、うぬぼれといつたほうがいいかもしれない。

一般に、通行人というのは、それほど細かいところを見ているわけではないものだ。自然と目に飛び込んできたもの以外は、ほとんど見ていないといっていいだろう。何かの看板らしきものがあったとしても、とくに目につくものでない限り、格別興味は示さない。だから、さつさと通りすぎてしまう。そんなものである。看板というのは、出していれば見てくれるというものではない。いやでも日につくようにしておく。そうでなければ、看板の意味がないのだ。

とくに小さなお店は、かりに1階の路面店であってもお店の間回が狭いから、外観もお客様の目に入りにくい。それなのに、看板も目立たないとなれば、見過ごされてしまう可能性が非常に高い。しかも、実際には小さなお店は、投資額の制約から、2階や地階への出店が多いから、ますます不利になってしまうわけである。

繁盛するためには、とにかく目立つことだ。 一人でも多くの人に自店の存在を知ってもらわなければならないからだ。飲食店のよさは、実際に入ってみなければわからない。ということは、とにかく一度、お店に入ってもらわなければ話にならない。看板は、そのきっかけづくりのためにあるわけだ。

看板で最も大切なことは遠視性、つまり遠くからでもはつきりとお店の存在がわかる、ということである。お店の前で看板に気づいたとしても、たいていはそのまま通りすぎてしまう。遠くから見えていて時間的な余裕があるからこそ、「あのお店に入ってみようか」という興味をもってくれる。

したがって、看板は取り付ける(置く)位置が重要になる。お店の周りを歩いてみて、どこが最も目立つ場所かを確認することだ。もちろん、ビルによっては位置や大きさなどに制約があるが、その中で最善の場所に出す努力を惜しんではいけない。また、看板は意外とお金のかかるものだが、日立つための投資はケチるべきではない。

繰り返すが、通行人というのは、地元の人でも、自分に関係があるか興味がある建物、店舗しかよく見ていないものだ。店前通行量がどれだけあっても、気づいてもらえなければ意味がないのである。

著者紹介:宇井 義行
コロンブスのたまご 創業者・オーナー

学業のかたわら、18歳から飲食店で働きながら実践的な飲食業を学び、23~25歳で6店舗の飲食店経営を手掛け、超繁盛化。赤字店の1ヶ月での黒字化など奇跡を起こし注目を集める。 26歳の時、実践的な「飲食コンサルタント」として独立。個性的な店、地域一番店を目指し、情熱ある現場直接指導に力を注ぎ、 全国の飲食店3000店舗以上を指導。指導歴日本一のフードコンサルタントとして数多くの難問を解決。不振店を繁盛店へと生まれ変わらせる手腕は業界屈指のリーダーとして国内外で高く評価されている。