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飲食店でパート・アルバイトの即戦力化を考えれば、自ずと使い捨ての発想はなくなる

飲食店でパート・アルバイトの即戦力化を考えれば、自ずと使い捨ての発想はなくなる

飲食店ではいまだに、パート・アルバイトというと一段落ちた労働力と考える風潮がある。安く使えるのだから、まあそこそこ働いてくれればいいといつた認識だ。要するに、使い捨ての発想である。一雇う側がそんなだから、パート・アルバイトのほうも、給料が安いのだから大した責任もないという考え方になりがちになる。本当に即戦力にしたいのなら、まずこういう考え方を改めることである。

大事なのは、お客様にとっては、社員だろうがパート・アルバイトだろうが、そんなことは無関係ということだ。とくに接客サービスのスタッフの場合、直接お客様と対応するわけだから、お店の評価はパート・アルバイトの出来不出来で決まってしまうといっても過言ではない。

パート・アルバイトの人件費は、同じ労働時間とすれば、社員の半分程度ですむ上、人件費が変動費化できる。しかも、忙しい時間帯や曜日だけ出勤してくれるのだから、経営にとっては大きなメリットである。

しかし、忙しい時間に働くスタッフは、暇な時間帯よりも高い能力を要求されるということを忘れてはいけない。暇なときなら、多少まごついたとしても大きな問題にはならないが、ピーク時にはそうはいかない。

ホールばかりか厨房まで混乱させてしまう危険性が大きい。スタッフ間の仕事のレベルの差が、最も大切なチームワークをガタガタにしてしまうのである。

パート・アルバイトだからと軽く考えていると、仕事の教え方もついおろそかになる。たとえば、お客様をお客様とも思わないような接客をして、平気な顔をしているサービススタッフをよく見かける。これは、サービス業としての飲食業の本質、つまり「飲食業は奉仕業」ということをしつかりと理解させていないためである。

働きやすい環境への配慮も、彼らのやる気を出させるための重要な要素である。働きやすい環境とは、

①勤務時間の選択ができる
②仕事が標準化されていて、わかりやすい形で示されている
③評価・待遇の制度が確立されている

以上3つの条件が満たされている職場環境のことをいう。

① の勤務時間の選択など、パート・アルバイトにとって当然のことだが、現実には意外とそうでもない。お店の事情を押しつけてしまいがちだ。しかし、パート・アルバイトにも個々の都合というものがある。とくに主婦の場合は、家庭を第一に考えるのは当たり前のことで、家族の同意も不可欠だ。では、学生なら時間が自由になるのかといえば、これも違う。彼らにも学校やサークル活動などのスケジュールがある。そういう個々の都合を最大限にくみ取って勤務時間を決めることが、長続きしてもらうための基本的な条件である。

②で大切なことは、教えるべきこと(習得すべきこと)を明確にして、理解しやすい形で教育・訓練するということだ。

パート・アルバイトは、社員と比べて仕事の範囲が狭い。とすれば、マニュアルもパート用のものを用意しておく必要がある。まず彼らがお店でしなければならない仕事の範囲を明確にして、それを最初にはつきりと示しておくことが大切なのだ。そして、仕事に不慣れな主婦でも簡単に習得できるように、標準化した仕事を作業分解し、わかりやすい言葉と表現でマニュアルにするわけだ。仕事の標準化とは、だれがやつても同じにできるようにすることである。マニュアルについては、別項で詳しく説明する。

③もいい加減なお店が多いが、これも定着率が低い原因のひとつになっている。人間だれでも、きちんと評価されるからこそ、やる気が出てくるものだ。 一生懸命働いているのに不公平な扱いを受けるのでは、だれだって嫌になってしまう。パート・アルバイトに限らず、人にきちんと働いてもらうためには、仕事を公平に評価する仕組みをつくつておかなければならない。

さて、実際の教育・訓練で最も大切なことは、教え方である。いま仕事の標準化といったが、作業の標準化とは、お店の基準がはっきりしているということでもある。教育・訓練はその基準通りに教えること。これが絶対条件である。教える人が違うと、教えられた内容が違ってしまうということがよくあるが、これでは短期間での成長は期待できない。できるだけ同じ人間が教えることが望ましい。

また、現場でやらせてみて、少しでも間違ったところを発見したら、その場ですぐに指摘して直させることだ。そして、うまくできたら必ずほめること。最初に教えるだけで後のフオローがないのでは、カンのいい人はいいが、そうでない人は仕事自体が嫌になってしまう。

パート・アルバイトでも、飲食店に勤める以上は、早くうまくなりたいと思っているものだ。そういう気持ちを大事にしてあげること。これが大切だ。スタッフのやる気を引き出すことをモチベーション(動機付け)というが、教え方が悪いと、せっかくのやる気の芽を摘み取ってしまう。パート・アルバイトを軽く見ているお店は、結局、お客様の支持を得られないのである。

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著者紹介:宇井 義行
コロンブスのたまご 創業者・オーナー

学業のかたわら、18歳から飲食店で働きながら実践的な飲食業を学び、23~25歳で6店舗の飲食店経営を手掛け、超繁盛化。赤字店の1ヶ月での黒字化など奇跡を起こし注目を集める。 26歳の時、実践的な「飲食コンサルタント」として独立。個性的な店、地域一番店を目指し、情熱ある現場直接指導に力を注ぎ、 全国の飲食店3000店舗以上を指導。指導歴日本一のフードコンサルタントとして数多くの難問を解決。不振店を繁盛店へと生まれ変わらせる手腕は業界屈指のリーダーとして国内外で高く評価されている。