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一等地でない飲食店ほど女性客に好かれる必要がある

一等地でない飲食店ほど女性客に好かれる必要がある

これからの飲食店は、女性客をどれだけ取り込むことができるかということが、成功のための大きなポイントになっていく。女性客に嫌われるようなお店では、明るい未来はないといっていいだろう。

女性客を取り込んで成功している例として第一に挙げられるのは居酒屋だ。昔は居酒屋といえば、酔っ払いの巣窟みたいなイメージが強く、飲食店としても格下に見られる傾向があった。それがこれだけの市民権を得たのは、10数年前の居酒屋チェーンによる一大ブーム以来、女性客が安心して利用できるお店に変身したからである。

また、ラーメン店も大変身を遂げつつある業種である。「汚い店ほどおいしい」などとウソぶいていられたのは、もう昔の話だ。いまはオシャレをした若い女性客が入りにくいようでは、成功などおぼつかなくなっている。立ち食いのそば。うどんや牛丼などのチェーンも、かつては男性客中心だったものだが、最近は店舗をクリーンでライトなイメージにし、明るい雰囲気にすることで、若い女性客を取り込んでいる。

女性客に好かれることがなぜ大切なのか。簡単に言えば、客数がぐんと増えるからだ。女性客の集まるお店には男性客も寄ってくるが、通常その逆はない。どうしてこうなるのかというと、女性客が入りやすいということは、雰囲気のいいお店の証拠だからだ。

だから、だれもが安心して利用できる。つまり、女性客に好かれるということは、幅広い客層に好かれるための条件ということになる。

また、女性客はお値打ち感に敏感で、お店選びの評価も男性客に比べて非常にシビアではあるが、その一方で、自分だけのお店、自分の行きつけのお店をもちたがる傾向が強い。したがって、固定客になりやすいわけだが、消費単価も意外と高いという魅力もある。

さらに、女性客には飲食店利用の主導権がある場合が多い、ということも無視できない。たとえば、住宅地立地のお店などはその最たる例だ。この立地では、主婦層を中心とする女性客に嫌われたら、まず繁盛はできない。他の立地の場合でも、カップル客などの場合は、やはり女性のほうにお店を決める主導権があるといっていいだろう。

ただ、実は女性客に好かれるお店になるといっても、特別なことは何もない。もちろん、女性客が好みそうな料理やドリンクを導入する必要があるのは言うまでもないが、とくに女性客中心に絞り込む場合以外は、特殊な条件などないのである。

いちばん大切なことはセンスのよさと磨き上げた清潔感だが、そんなことは成功をめざす飲食店として当たり前のことにすぎない。また、女性客は「大事にされたい」という思いが強いから、ハートをつかむには、公平でしかも配慮の行き届いた「愛」のあるサービスが不可欠になる。しかし、これもまた、だれからも評価されるお店になるための必須条件である。

雰囲気づくりとしてはセンスが必要といったが、明るくシンプルな内装デザインがいいだろう。流行を取り入れることも大切だが、すぐに飽きられるような要素はやめておいたほうが無難である。むしろ、調度類や置物、小物類など、ちょっとしたところにセンスのよさを表現したい。

著者紹介:宇井 義行
コロンブスのたまご 創業者・オーナー

学業のかたわら、18歳から飲食店で働きながら実践的な飲食業を学び、23~25歳で6店舗の飲食店経営を手掛け、超繁盛化。赤字店の1ヶ月での黒字化など奇跡を起こし注目を集める。 26歳の時、実践的な「飲食コンサルタント」として独立。個性的な店、地域一番店を目指し、情熱ある現場直接指導に力を注ぎ、 全国の飲食店3000店舗以上を指導。指導歴日本一のフードコンサルタントとして数多くの難問を解決。不振店を繁盛店へと生まれ変わらせる手腕は業界屈指のリーダーとして国内外で高く評価されている。