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飲食店の印象はオーダーの取り方が決める

飲食店の印象はオーダーの取り方が決める

お客様のオーダーを取るのは、サービススタッフの最も基本的な仕事のひとつである。そのため、何も考えずにやつているお店が多いが、実は、このときにお客様の心証を害してしまうことが少なくない。接客サービスの落とし穴でもあるわけだ。

オーダーを取るときは、お客様と最も近い距離で接するときである。したがって、お客様の心証に大きな影響を与えやすい場面ということになる。また、オーダー時は、スタッフがお客様をどれだけ大切に思っているかということが、はっきりと表れてしまうときでもある。

通常、お客様が席についたら、最初のサービスとして水やお茶、おしぼりなどと一緒にメニュー表を提示する。ここで最初の問題点が浮かび上がる。お客様に圧力をかけて平気でいるお店が多いということだ。

最近は、メニュー表を手渡した直後に「お決まりでしたら」とオーダーを促すやり方がまかり通っている。まだお客様がメニュー表をよく見てもいないのに、まだかまだかとせかすわけだ。

これでは、何のためにメニュー表を渡しているのかわからないし、お客様はメニューを選ぶという楽しさも味わえない。限定メニューだけのランチタイムとか、居酒屋でとりあえずドリンクだけオーダーしてもらうというのならまだ許されるが、あたかもお客様を無視したような態度は大問題である。本来「お決まりでしたら」というのは、お客様がメニューを検討して注文が決まったら、教えてくださいという意味の言葉なのである。

また、お客様にメニューを検討させるのはいいのだが、メニュー表を渡したままほったらかしにしてしまうケースも多々見受けられるが、この点も十分認識してほしい。

お客様にメニュー表を渡したらお客様の様子に注意するというのは、接客サービスの基本である。注文が決まれば必ず、サービススタッフを探すそぶりをしたり、メニュー表を閉じたりという、お客様からの合図がある。その合図を見逃さずに、さっとおうかがいするのが、当たり前のサービスなのだ。もしも合図に気づかなかったら、そのお客様を無視していたことと同じなのだ。

こういうところで、知らず知らずにお客様の印象を悪くしているとしたら、どうするのか。お店にとって大変な損失である。

さて、オーダーを受けたら、必ず声に出して伝票に書くこと。聞き間違いを防ぐためで、これが原因のトラブルは意外と多い。また、お客様が「ご飯」と言っているのに「ライスですね」と言い替えるようなことは厳禁である。お客様の言い方を否定するニュアンスは、飲食店では絶対にあってはならない。スタッフには日頃から、お客様を肯定する習慣をつけさせておくことだ。

ドリンクや複数の料理を注文された場合は、必ず提供する順番を確認する。調理に時間がかかる場合は、あらかじめお客様にそのむね断って了解を得ておく、といったことも大切なポイントだ。

なお、オーダーを受けているときに他のお客様から声をかけられることもあるが、絶対に無視してはいけない。「はい、ただいま」など必ず返事をして、すぐにうかがうようにする。

著者紹介:宇井 義行
コロンブスのたまご 創業者・オーナー

学業のかたわら、18歳から飲食店で働きながら実践的な飲食業を学び、23~25歳で6店舗の飲食店経営を手掛け、超繁盛化。赤字店の1ヶ月での黒字化など奇跡を起こし注目を集める。 26歳の時、実践的な「飲食コンサルタント」として独立。個性的な店、地域一番店を目指し、情熱ある現場直接指導に力を注ぎ、 全国の飲食店3000店舗以上を指導。指導歴日本一のフードコンサルタントとして数多くの難問を解決。不振店を繁盛店へと生まれ変わらせる手腕は業界屈指のリーダーとして国内外で高く評価されている。