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マニュアルの上手なつくり方(2)清掃マニュアル

マニュアルの上手なつくり方(2)清掃マニュアル

店の清潔度は士気のパロメーター

清掃はお店のQSCのひとつ、クレンリネス(C)を維持するための重要な仕事である。いいかえれば、クレンリネスの程度は、店長を評価する基準のひとつでもある。

ヤル気のない店長のお店では当然、従業員のモラルダウンが進行するが、その最初の現象としてあらわれるのがお店の汚れである。クレンリネスがいかに大切かについてもう一度、その意味を確認してほしい。

さて、ひと口に清潔感といっても、その感じ方にはかなりの個人差がある。敏感な人もいれば鈍感な人もいるし、なかには無神経としかいえないような人もいる。鈍感な人や無神経な人と敏感な人とでは、「きれい」のレベルが違う。したがって、鈍感な人の場合、本人はちゃんと清掃しているつもりでも、結果としては「手抜き」でしかないということになってしまう。

しかし、飲食店で働く以上は、鈍感な人にも敏感になってもらわなければ困る。ではどうすれば、その個人差を埋めることができるのか。

その答えはいうまでもない。きちんとした清掃マニュアルをつくり、計画的に実行することである。そうすれば、従業員全員が一律に掃除できるはずである。

しかし、マニュアルは万能ではない。マニュアルがあるからお店がきれいになると思ったら、大間違いである。もっとも大事なことは、従業員一人ひとりのクレンリネス意識を向上させることなのだ。

「店を清掃に」は店長の率先実行で

それにはまず、店長であるあなた自身が、シビアなクレンリネス意識をもっていなければならない。ここがしっかりとしていなければ、「ピカピカに磨いた清潔感」など、しょせん絵に描いた餅でしかない。

つまり、飲食店のあるべき清潔感とは、どういう状態のことなのか、お店のすべての部分について明確な基準をもち、従業員に具体的に示すことができなければならないのだ。どんな組織でも、トップ(お店では店長がトップである)がだらしなければ下は右へならえ、である。しかし、素晴らしいお店にしたいという強い意識があり、しっかりとした認識をもって率先実行すれば、お店のクレンリネスは必ず向上していく。

できる店長とはつねにお店の清潔感や家具の破損に対して敏感だから、自然と床に落ちているゴミを拾い、破損部分を修理するものである。ルックスの落ちた蛍光灯にもすぐに気がつく。そして、従業員も店長の感覚を共有できるように育っていくものだ。

清掃マニュアルづくりと同時に教育の徹底を

もうひとつ、従業員のクレンリネス意識を向上させるのに大切なのは、従業員になぜクレンリネスが必要なのかについて、きちんと教えることである。飲食をするのにお店が汚なかったらお客はどう感じるか、ということばかりでなく、飲食店としての衛生管理義務についてまで、噛み砕いて話してあげることだ。つまり、清掃は自分たちにとって大事な仕事のひとつなのだということを、よく理解させるのである。

クレンリネス意識の低いお店(実はこれが大多数なのだが)では、この教育がしっかりとなされていない。そのため従業員は、余計な仕事までさせられていると思ってしまう。清掃マニュアルをつくるお店は増えてきてはいるが、この意識改革の教育を抜きにしてマニュアルをあてがっても、効果はあがらない。

これが、マニュアルは決して万能ではないという意味である。お客を迎えるのに掃除をし、部屋の中を片づけるというのは、家庭でも当然のことだ(と教えなければならない)。ましてや、おカネをいただくのである。イヤな仕事ではなく、当然の仕事と理解させることが、清掃マニュアルを活かすための鉄則である。

マニュアル作成の留意点

清掃マニュアルづくりの注意点は、
①計画的に実行できるようにシステム化する
②掃除のやり方を統一する
③掃除用具をきちんと揃えておく
の三点である。
いくら清掃が大切だといっても、実際問題として、お店のすべての部分を毎日、くまなく清掃することは物理的に不可能である。現実には、お客の日につきやすい箇所や効果的な箇所を重点的におこなうことになる。そのため、重要度の高い清掃を優先しながら、すべての箇所に清掃が行き渡るような計画性が必要だ。

上記、表1は、短時間でもっともきれいにできる清掃計画を実現するための、清掃基準表である。

お店の中を、汚れが日立つ、あるいは汚れやすい順に細かく分割して、1日に何度も清掃する箇所(時間)、日回の箇所、週に一回ないし複数回の箇所、月に一回の箇所とあらかじめ決めておき、それぞれの箇所の清掃ポイントを示す。

これを毎日のタイムスケジュールに組み込み、さらに、どこを誰が清掃を担当するのか以下表のように決めて、お店の清掃度に対する責任を個々の従業員にもたせるのだ。

②はマニュアルそのものの内容の問題である。汚なさの感じ方が人それぞれなように、ぞうきんがけひとつひとつとっても、人によってやり方が違うクセもある。角を丸く拭き残す人は、掃除機をかけても同じようにやるものだ。神経の鈍感な人は、誰が見ても汚れているダスターで、平気でお客の日の前のテーブルを拭く。こういうことが多くのお店で、ごくぶつうにおこなわれているのである。しかし、やり方が悪いと叱るよりも、まず正しいやり方を教えることが先決だ。

たとえば、テーブルの拭き方なら、

(1) テーブル用のきれいなダスターを使用する
(2) まずテーブルの外周を角から角に向かって拭き、
(3) その中を左←右←下←左←下←右と拭くという具合に、具体的にいちいち指示することが大切だ。これくらいのことはわかるだろうという思い込みがいちばんいけない。また、当然、従業員の中にも、それくらいのことはわかっています、という人もいるだろう。しかし、それでも一からきちんと教えなけれ統一するため、と説明すべきなのだ。

一人でも違うやり方をする人を認めると、それが必ずマニュアルの有名無実化につながっていく。正確に守ってこそのマニュアルなのである。

清掃用具もつねに整理整頓して同じ場所に保管してあれば、気がついたときにすぐにやれるようになる。

洗剤や殺菌・防臭剤、バケツ、ブラシ、モップ、ぞうきん類などがそろっていないようでは「清掃しろ」というほうが無理である。道具がなければできないし、後回しにしているうちにやらなくなってしまう。

「店を清潔に」の習慣は従業員の休憩室から

店内をいつも清潔に保つには、マニュアルや清掃のチェックリスト、掃除のしやすい器具や道旦(が必要である。しかし、もっとも大切なのは結局、他人に対する思いやりの心なのだ。本書の最初で、飲食業は奉仕業だといったが、他人を気持ちよく過ごせるようにしてあげようという奉仕の心こそ、サービス業のホスピタリティの原点である.そして、この思いやりの心は、たんなるマニュアルでは決して身につかない。強制してしかできないようでは、必ずボロが出るし、タガが員が自然に思うようにすることが大切なのだ。

そのためには、まず店長室を整理整頓することだ。

そして、従業員の休憩室もきれいに使う習慣をつけさせることである。寮がある場合は当然、寮の清掃を厳しくしつける必要がある。私生活で汚れた状態が平気なようでは、お店が汚れていても気にならなくなってしまう。店長室がいつも乱雑でホコリがたまっているようでは、いつまでたってもクレンリネスなど実現できない。休憩室は従業員が心身をリフレッシュし、また従業員同士、店長と従業員がコミュニケーションをはかる大事な場所である。まず、ここからきれいにする習慣をつくることだ。

清掃は地味な作業である。また、誰もがイヤがる作業ともいえるだろう。しかし、お客の評価はたちどころに下される。お客は何よりも不潔なお店を嫌う。お店の人間にとっては、「あまり汚れていない」状態でも、お客の目には不潔に映るのだ。このことを忘れてはいけない。

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著者紹介:宇井 義行
コロンブスのたまご 創業者・オーナー

学業のかたわら、18歳から飲食店で働きながら実践的な飲食業を学び、23~25歳で6店舗の飲食店経営を手掛け、超繁盛化。赤字店の1ヶ月での黒字化など奇跡を起こし注目を集める。 26歳の時、実践的な「飲食コンサルタント」として独立。個性的な店、地域一番店を目指し、情熱ある現場直接指導に力を注ぎ、 全国の飲食店3000店舗以上を指導。指導歴日本一のフードコンサルタントとして数多くの難問を解決。不振店を繁盛店へと生まれ変わらせる手腕は業界屈指のリーダーとして国内外で高く評価されている。