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従業員の評価は公平に[明快な基準が大切]

従業員の評価は公平に[明快な基準が大切]

公平に評価されたい気持ちを理解する

あなたはこれまで、職場で上司や経営者に正しく評価されてきただろうか。正しく評価されたときは疲れなど吹っ飛んでしまったろうし、さらに仕事への意欲が湧いたことだろう。

しかし、そうでないこともあったに違いない。どこにでもモノのわからない上司はいるものだ。仕事の実績を残しているのに、それが認められず、先輩や同僚と比べて不公平な扱いを受ける。これほど口惜しいことはないし、ヤル気をなくさせることもなかったはずである。

そしていま、店長としてお店と従業員を預かっているあなたは、経営者に正しく評価してほしいという気持ちをいっそう強くしていることと思う。これだけの責任を負って働いているのだから、と思っているに違いない。

それは、部下も同じことなのである。あなたがかつてそうだったように、部下は、つねに店長によって正しく評価されている、という確信があってはじめて働く気持ちになる。向上しようと努力する気になるものなのだ。

もちろん、いまのあなたは、より大きな責任をもつことで、いやがうえにも意欲が高まっているだろう。しかし、だからこそ、あなたは「公平に評価されたい」という部下の切実な気持ちを深く理解できていなければならない。

部下を預かるというのは、部下によく働いてもらい、お店の成績を向上させることである。それにはまず、部下にヤル気をもってもらわなければならないのだ。

そういう職場づくりをしなければならないし、ヤル気をもってもらうような仕事への評価のしくみをつくらなければならない。

仕事での評価はなるべく形にしたいものだ

仕事での評価は、その結果が給与に反映されなければ意味がない。「君はなかなか優秀だね」とか、「よく働いてくれて助かるよ」とほめることは、もちろん重要なファクターのひとつである。

しかし、ほめられるばかりで給与はいっこうに変わらないというのでは、せっかく高まった従業員の意欲はカラ回りしてしまうし、かえってマイナスに働くこともしばしばある。

目ばかりで信用できないという体験は、あなたにもあるだろう。そしてその不信感は、店長であるあなたに向けられるのだ。店長が部下に信用されないということは、店長はお店のコントロール機能の大半を失ったことを意味する。

実力で給与差を埋められる仕組みがあるとよい

従業員の給与への不信感のなかで最悪なのは、従業員間の不公平感である。

たとえば、最近は同じパート・アルバイトなのに、大学生、高校生、主婦というように学歴や年齢で時給に差をつけるお店が増えている。その理由はたいてい、お店がもっとも欲しい人材を明確にアピールするため、とされている。

それはそれで間違った方法ではない。しかし、それならば、そのことを採用時にはっきりと説明しなければならないわけだが、もっと大切なことは、いったん仕事に就いたあとは、実力でその給与差を埋めることができる仕組みを用意しておくことだ。

どんな会社でも、給与体系で問題となるのは初任給ではなく、以後の昇給額、賞与支給額である。つまり、仕事の能力評価がもっとも大切なファクターだということだ。

明快な評価の基準が大切だ

当たり前のことだが、従業員の評価でもっとも大事なことは、その基準が明確で、かつ誰にでもわかりやすい形になっていることである。従業員の定着率の悪いお店は、十中八九これがしっかりとできていない。

店長の好みや気分で部下を評価してしまっているケースが多いのである。

たとえば、若い店長だと、世代が近くて何かと話の合う大学生や専門学校生ばかり目をかけて、主婦のパートタイマーをおろそかに扱うことがよくある。また逆に、私的な面での趣味(競馬とかパチンコ)や、つき合い(酒など)によって部下への接し方が変わるというのは、ベテラン店長にありがちなことだ。

いずれにしろ、店長の胸先三寸で給与が決められてしまうのでは、従業員はいたたまれない。辞めていって当然だ。ところが、そういう恣意的な店長に限って、「代わりはいくらでもいる」などとタカをくくっているから始末が悪い。

ダメな従業員の代わりならいくらでもいる。しかし、優秀で自分の評価をも押し上げてくれる、つまり売上高アップに貢献してくれる部下はそれでは育たない、ということに気づいていないのだ。従業員評価の基準とは、ひとことでいえば、売上高の評価のモノ差しはあり得ない。このことを忘れてはいけない。

「向上心」と「努力」を見る

次に、具体的な評価の仕方についてだが、これも当然のことながら、社員とパート・アルバイトでは違っていなければならない。同じ従業員であっても、本人に期待する意味合いが違うからである。

まず、社員に対しての評価では、つねに一歩上をめぎす向上心があり、そのための努力をしているかどうかが、最大の基準でなければおかしい。社員になったということは、会社=お店と一緒に自分も成長していこうという意思表示でなければならないからだ。

会社としても、いずれは主任、店長とステップアップしてほしいからこそ、高い人件費を払って社員にしているのである。

よく勘違いされることがあるのだが、社員制度は単なる人手確保の手段ではない。もちろん、仕事の出来、不出来も評価基準ではあるが、社員の場合、それは社員であることの前提でなければならない。そうなるように教育・訓練しなければいけないということだ。

ちなみに、一歩上をめざす努力とは、与えられた仕事以外で自己啓発に努めることをいう。

店長はつねに公平を心がけなければならない

一方、パート・アルバイトの場合は、基本的には、与えられた仕事の範囲内での出来、不出来を問題にする。

たとえば、一見すると接客に慣れていて、一人で対応できる客数も多いというウエイトレスがいるとする。しかし、それだけでは高い評価を与えるわけにはいかない。大事なポイントは、会社のスタンダードを実現するために、会社のルール、やり方をきっちりと守って働いているかという点なのだ。

「あの人は仕事ができるから」などという理由で一部のパート・アルバイトの違うやり方を認めることは、お店のスタンダードを自ら否定することである。お店のルール、やり方に従わなくても優遇されるとしたら、そのルール、やり方は存在しないも同然なのだ。

社員にしろ、パート・アルバイトにしろ、評価の基準はただひとつでなければならない。そして、その基準がいつも変わらないことが鉄則だ。従業員は明快な評価基準があるからこそ、評価されるためには何をどうすればいいのかがわかる。目標がはっきりしているからこそ、早く覚えよう、もっと進歩しようと努力する。

勤務評定は、もっとも主観が入りやすい。評定者の好みや思い込みにも左右されやすい。だからこそ、店長はつねに公平を期すよう自分を戒めていなければならない。そして、すべての従業員の仕事ぶりを見守っていなければならないのだ。

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著者紹介:宇井 義行
コロンブスのたまご 創業者・オーナー

学業のかたわら、18歳から飲食店で働きながら実践的な飲食業を学び、23~25歳で6店舗の飲食店経営を手掛け、超繁盛化。赤字店の1ヶ月での黒字化など奇跡を起こし注目を集める。 26歳の時、実践的な「飲食コンサルタント」として独立。個性的な店、地域一番店を目指し、情熱ある現場直接指導に力を注ぎ、 全国の飲食店3000店舗以上を指導。指導歴日本一のフードコンサルタントとして数多くの難問を解決。不振店を繁盛店へと生まれ変わらせる手腕は業界屈指のリーダーとして国内外で高く評価されている。