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第4章 確実に成功するためのオープン準備

オープンまでのスケジュール

飲食店を成功させるには、とにかくまずオープンを成功させることだ。オープンがうまくいけば、経営を早く軌道に乗せることができる。反対に、オープンでつまずくと、そのマイナスイメージを取り返すのにとんでもない昔労をすることになる。お客様はオープンの時の印象をけっして忘れないものである。

オープンの失敗は概ね、予定日にオープンできないというケースと、お店の準備態勢が不十分だったためにお客様に迷惑をかけてしまうケースに分けられる。いずれにしても、失敗の最大の原因は、オープンまでのスケジュール管理に問題があつたことである。

オープンを成功させるには、オープン日までのスケジュールをきつちりとこなしていくことが最低の条件になる。オープン日とは、 一人前の飲食店としてのデビューの日である。営業店としてお客様からお金をいただく以上、「まだ不慣れなものですから」などという言い訳は絶対に通用しない。お客様はその場では許してくれても、三度と来店してくれないだろう。そもそもビジネスとしてオープンするのである。確実に成功できるオープンにしなければならない。

飲食店のオープンまでには、やらなければいけないことが山ほどある。しっかりとしたスケジュールを立てて、 一つひとつきちんと実行していかなければ、オープン間際になって必ず慌てることになる。だから失敗するのだ。

しかも、賃貸契約をしたら、オープン前から家賃は発生しているのである。もたもたしていると、払わなくてもいいはずのカラ家賃を払わなければならなくなってしまう。また、お店のシステムをつくり、スタッフを募集し、訓練しなければならないし、広告宣伝、メニュー表作製など、こまごまとした仕事も日白押しだ。最高のスタートを切るには、オープンイベントの準備もしなければいけない。

これだけの仕事を確実にこなしていかなければ、予定通りのオープンは迎えられない。飲食店のオープンとは、傍から見るよりもずつと大変な仕事なのである。また、本人は真面目にこなそうと思っていても、オープン業務に慣れていないと、必ず見落としが出てくるものだ。

計画的に確実に準備を進めていくには、開店スケジユール表をつくることである。やるべき仕事の項目と日付の表をつくり、項目ごとに取りかかる日と最終期限を書き込んでおく。そして、このスケジュールを毎日チェツクするのだ。こうしておけば、つい忘れて慌てる心配はない。

参考までに、 一般的な飲食店オープンのためのスケジュールを挙げておく。こうして体系的な図にして見ると、オープンまでにいかにたくさんの仕事をこなさなければいけないかが、よくわかると思う。居抜き物件活用の場合も、基本的にはこのスケジュールで進行する。

オープン後の経費と売上計画

初めて飲食店をオープンする人は、オープン後の経費など実際にやってみなければわからないと思うかもしれない。しかし、これがわからないようでは、飲食店をオープンさせる資格がない。というより、成功する資格がない。

経営における経費とは、結果としていくらかかつたという性格のものではない。そうではなくて、意図的に適正な対売上高の割合、金額にコントロールしていくべきものである。それにはまず、各費用(金額、割合)をできるだけ正確に試算してみることだ。

各費用の試算でもっとも重要なポイントは、初期条件の設定である。別項でも説明したが、初期条件とは地代。家賃、支払金利、減価償却費の合計額のことで、基本的に、オープン時の設定を後で変更することはできない。つまり、経営努力でコントロールすることのできない経費のわけである。

そのため、この金額が大きすぎると、損益分岐点売上高を押し上げて、利益が出にくい体質になってしまう。その分、売上高を高く見積もっておけばいいではないかと思うだろうか。そんな根拠のない数字の操作は金融機関ですぐに見破られてしまうし、自分の計画書としての意味もなくなってしまう。

ちなみに、損益分岐点売上高とは、売上高と経費の総額が同じ状態のことをいう。要するに、収支トントンの状態だ。つまり商売では、売上高が損益分岐点を超えてはじめて、利益が出るのである。

売上計画では、まず必要売上高を算出する。なお、予想売上高含冗上予想)の算出式には、フオーマツトに示した方法(席数と稼働率から計算する)のほか、店前通行量とお客様の吸引率、営業日数を掛けて算出する方法もある。

さて、事業計画書のなかでもっとも重要なのは、損益計算である。損益計算の見通しは、月次の予想損益計算書と資金繰り表とで構成されるまず、開店後経費と予想売上高をもとに、月次の損益計算をシミュレーションとして作成する。

ここで大事になるのは、売上好調A・売上標B・売上低調Cと三つのケースを予測して試算することだ。順調とはいえないケースまで視野に入れてはじめて、客観的な数字となり、計画書に説得力を持たせることができるのである。経営感覚がない人はつい売上高を高めにしてしまうものだが、人情としては理解できても、事業計画としては認めてもらえない。また、損益計算書にはすべての費用が計上してあるから、各費用の対売上高の割合も明確に示される。

もちろん、まだオープンしていないのだから、この数字もあくまで予測である。しかし、この数字の配分が、確実性の高い健全な経営計画を立てているかどうかを判断する重要な根拠になるのだ。

次に資金繰り表だが、これは五年間の資金の流れを一覧表にまとめたものだ。はじめてオープンする人にはピンとこないかもしれないが、資金繰りは経営を安定させるための最大のポイントなのである。

資金繰り表の売上高は、先に作成した予想損益計算書の「標準」売上高を用いる。各費用については損益計算書と同じ(年間で計算)だが、ここで重要になるのは、借入金の返済計画との整合性である。

フォーマットでは「借入金残高」と「返済予定額」の項目があるが、「返済可能額」つまリキャッシュフローの金額を項目として立ててもいい。健全な経営をするには、返済可能額がつねに返済予定額を上回っているようにしなければならない。

以上が事業計画書作成のためのポイントである。飲食店の経営を少し勉強すれば、とくにむずかしいものではないが、とにかく客観性と確実性を持たせることが大切。希望的観測では作成する意味がないのである。

事業計画書のつくり方

一般に、飲食店オープンの事業計画書は、金融機関から融資を受けるために必要なもの、と理解されているフシがある。たしかに、金融機関から融資を受けるためには、事業計画書を提出して審査を受けなければならない。

しかし、実は事業計画書は、借金のツールのためだけに作成すべきものなのではない。なぜなら事業計画書とは、これからオープンするお店の経営を想定した青写真だからである。いくら投資してどんなお店をつくり、そのお店でどれだけ利益を上げられるか。その見通しを具体的にまとめたもの、それが事業計画書なのだ。

もちろん、事業計画書をきちんと作成しなくても、お金さえあればお店をオープンさせることはできる。しかし、「水商売」が通用した昔はともかく、競争のシビアないまの時代、いくら小さなお店であっても、しっかりとした利益計画なしに開業するというのは、無謀以外の何ものでもない。かりにうまくいったとしても、それはたんなるフロックである。結果オーライの水商売感覚だ。そんなリスクだらけのことにお金を注ぎ込むなど、もはや投資とはいえないのである。

事業計画書のまとめ方に決まった書式があるわけではないが、綿密な数字の裏づけがなければ、計画としての意味はない。経営はどこまでいっても数字なのである。このことを肝に銘じてほしい。

画像の基本のフオーマットに沿って、作成のポイントを説明する。

まず、最初に作成するのは、オープンするお店の営業方針と将来性の見通し、そして資金調達計画(借入計画と返済計画)である。営業方針と将来の見通しでは、立地調査の結果をもとに、お店のコンセプトと市場調査に基づく見通し、そして将来性の見込みについて簡潔な文章でまとめればいい。ただし、あまりに希望的な観測では、数字の信憑性がなくなってしまうので注意しておく。これは事業の計画である。客観的な確実性が何よりも大切なポイントだ。

借入計画でもっとも大事なことは、総投資額に対して、どれだけの借入金を必要とするかという点だ。必要資金額と自己資金額を明確にして借入金額を決定するわけだが、肝心なのは、本当に必要な資金を間違いなく確保することなのである。

そのためには、オープン資金の見積もりでできるだけ正確を期すことである。だいたいこれくらいといった丼勘定の見積もりは、後になつて必ず、思わぬ計算違いのトラブルを引き起こすことになる。

なお、借入をするには当然、返済計画が前提となるが、飲食店の場合、五年間程度の中期事業計画とするのが一般的である。五年間というのは、飲食店の減価償却期間の平均が概ね五〜七年ということに基づいている。したがつて、五年間を超える長期返済や、返済期間を短くするために毎月の元金返済額を無理に大きくしたりするのは非常に危険ということになる。実際問題として、そういうビジネスの常識をわきまえないような計画書では、金融機関は相手にしてくれないはずだ。

資金の借入はどうする

オープン資金の見積もりの項で述べたように、オープン準備でもっとも重要かつ不可欠なことは、必要な資金を間違いなく調達することである。世の中には、資金が足りないばかりにオープンできないという事例が山ほどあるのだ。

ところで、個人がお店をオープンする場合、そのオープン資金を全額準備できるという人はほとんどいない。マイホームほどはかからないにしても、個人のレベルでは、マイホームに次ぐ「一生に一度」の出費といわれるくらいである。初期投資額を低く抑えられる居抜き店舗活用の場合でも、1000万円単位のまとまった金額を用意しなければならない。

また、素人が事業を始めるのに借金は好ましくないという人もいるが、私はそうは思わない。私はこれまでのコンサルタント活動で、3000店以上の飲食店を見てきているが、その経験からそう断言できるのだ。3000店もあればオープンまでの事情もさまざまだが、適正な借入、つまり返済可能な金額を借金してオープンしたケースのほうが、成功率がはるかに高い。これは事実である。

どうしてかというと、借入金がない=全額自己資金でのオープンの場合は、当然のことに返済というプレッシャーがない。そして、損益計算書の減価償却費は九々、現金として手元に残ることになる。そのため、どうしても経営が甘くなりがちだ。もしも帳簿上の利益が出なくても、減価償却費があるから、

という意識がそうさせてしまうのだ。それに対して、借入をしてオープンをした場合は、逆に返済のプレツシャーがプラスに作用する。きちんと返していかなければという意識がシビアな計数管理意識となり、それが利益を確保させる原動力にもなるわけだ。借金までしてオープンしたのだから、なんとしても成功させるのだという強い意志も持てる。この意識の違いがどういう結果の違いをもたらすか明らかだろう。

しかも、もともと飲食店の経営は、適正な範囲内(キャインュフロー)であれば、無理なく返済できて、ちゃんと利益も出る構造になっているのである。一般には政府系の公的資金である「かんえい融資」を利用するが、低利の固定金利で長期返済なので、これがもつとも有利で安心な融資である。設備資金としての一般貸付の上限は7200万円(返済期間一五年以内、据置期間は三年以内)だが、個人がオープンする小規模店のオープン資金としては十分の金額だ。

この融資は、脱サラなどこれまで飲食業に従事していなかつた人でも受けられる。国民生活金融公庫、または代理店(銀行、信用金庫、商工中金など)の窓口で相談すればいい。公的資金は資金の足りない事業者を国が支援することを目的としている融資だから、銀行などよりも好意的に相談に乗ってもらえるはずである。

飲食店の原価と損益計算書

前節で、飲食店経営にはさまざまな原価がかかること、そして、確実に利益を出していくためには、シビアな原価意識を持たなければいけないといつた。ここでは、損益計算書を見ながら、もう一度飲食店の原価について考えてみたい。

損益計算書とは、 一定期間(毎月とか年間)のお店の営業成績を明確にするため、すべての費用と収益を一覧表の形にまとめたものである。したがつて、これを見れば、その期間内にどれだけ儲かったか、

もちろん、税金の申告のためにも不可欠の資料だが、これを作成する本当の目的は、つねにお店の数字を正確に把握することで経営を健全化し、出すべき利益を確実に出していくことにある。

表は、飲食店の損益計算書の一例である。とりあえず、この表をひと通り見てほしい。各費用の分類がかなり細かくなっているのは、管理会計の勘定科目によって作成したものだからだが、大きく分類すれば、次の七つの項目になる。

売上高、材料費、粗利益高、人件費、諸経費、初期条件、経常利益。

なお、 一月の欄に記入してある数字は、 一般にこれら七大項目それぞれの適性値=指標とされている数値である。さて、損益計算書で注意してほしいのは、初期条件の項である。初期条件とは、地代。家賃、支払金利、減価償却費の三つの固定費(リース料、本部費があればこれらの費用も)の合計金額だ。これらの費用はお店をオープンした時から支払い金額が決まつていて、後から変更することはできない。つまり、最初に決められている条件=初期条件というわけである。

言い替えれば、初期条件が高く設定されていると、そこそこ売上が上がったとしても、これらの支払いに回されてしまつて利益が出ない、ということになる。利益を出しやすくするには、初期条件をできるだけ低く設定する必要がある。

また、減価償却費と純利益を足した金額をキャツシユフローと呼ぶ。この考え方も覚えておくといい。

別項で説明したように、減価償却費とは実際の支出を伴わない費用である。したがつて、帳簿上は経費として処理されても、手元にはその金額の現金が残ることになる。そのため、通常はこれを借入金の

元金返済に当てられるが、毎月の返済金額がキャッシユフロー以内の金額に収まつていないと、資金繰りが行き詰まる危険性が出てくるわけだ。

このように、経営の中身はすべて数字で表現される。売上や利益目標を立てるにも、経費のムダをなくしていくためにも、これらの数字が不可欠だ。オープンにあたつてはまず、適正な経費率をきちんと設定しておくことが大切である。

オープン資金の見積もり

飲食店のオープンに限らず、事業を始めるにはまず、確実な資金計画を立てることが不可欠だ。当たり前のことだが、資金がなければ事業は始められない。また、資金があることはあっても、どうしても足りなくなってしまうということがよくあるが、そんなことでは計画通りにいかないし、当然、満足な結果は得られない。悪くすると、計画自体が途中で頓挫してしまうことにもなりかねない。

一般に、オープン資金の半分以上は金融機関などからの借入金で賄うことになる。ところが、いったん借入をしてから資金不足が判明した、というケースが少なくない。たとえば、店舗の物件取得費や内装工事費などに予想以上の金額がかかってしまったというケースである。

その点、居抜き店舗でのオープンの場合、投資額自体を低めに抑えることができるから、オープン資金の調達は新店舗での開業に比べてぐんと楽になる。常識的には店舗の取得費(保証金プラス内装譲渡代金など)は低めになるし、厨房設備機器類も含めた内装も前のお店のものを活用できる。

ただ、勘違いしてはいけないのは、居抜き店舗を「活用する」というのは、前のお店をそのまま流用するのではない、ということだ。もちろん、設備機器類も含め、譲渡された内装はできるだけ利用しなければいけない。そうでなければ、居抜き店舗のメリットは半減してしまうからだ。

しかし、成功を確かなものにするためには、譲渡された店舗に何らかの新しい要素を付け加える必要がある。

たとえば、壁や床、天丼などの内装はそのまま流用し、イスやテーブルやチエストだけ新調するということもあるし、逆に什器備品類はそのまま使い、壁紙だけ貼り替えるということもある。いずれにしても、わずかこれだけの投資でも、店内の雰囲気や居心地感は前のお店とはかなり違ったものになり、お店が生まれ変わったことをお客様にアピールする力になる。

また、厨房の設備機器類も基本的には流用の方向で考えるが、調理方法やメニュー内容によっては事情が変わってくる。なかには不要な機器類も出てくるだろうが、新たに買い足す必要が出てくることもある。

その他、細かいことを挙げていくと、たとえ居抜き店舗の活用であっても、いろいろと買わなければならないものがある。たとえば、食器類。いつもいうことだが、お客様が飲食店を利用する最大の目的は、飲食を通して楽しく豊かな時間を過ごすことだ。したがつて、その楽しく豊かな気分にふさわしい食器類を使わなければならない。

さらに、商品=料理は飲食店の最大の売り物だが、料理は食器類によってイメージが大きく左右される。そのため、高価なものである必要はないが、自店のコンセプトに合った食器類を新たに買い揃える必要が出てくることも、ままあるのである。

食器類以外では、看板代、調度品費、レジシステム費、装飾品費、ユニフオーム費、デザイン関係費(メニュー表、ロゴなど)、消耗品費(箸、箸袋、ナプキンなど)、開店費(求人費、広告宣伝費、教育。開発費)などがある。それぞれの金額は内装などに比べて大きなものではないが、いろいろと合わせていくとけっこうな金額になる。きちんと見積もっておかないといけない。

居抜き店舗活用の基本方針は、できるだけ安くオープンすることだ。しかし、ただ安く上がればいいというものではない。いくら安くオープンできても、繁盛できなければ何にもならないのである。繁盛させるために必要な資金は、惜しまず投資しなければならない。ただし、どの投資が必要なのか、それは本当に必要なのかという検討をシビアにしなければいけないというのは、いうまでもないことだ。オープン資金の見積もりは、だいたいこれくらいといった大ざっばなものではいけない。具体的な金額を調べて積み上げていった結果でなければいけないのだ。

しかし、どんなに慎重に検討したつもりでも、予定外の出費というのは必ず出てくるものだ。その時に慌てないようにするために、見積もり総額の二割程度の金額を開業予備費として計上しておくといい。なお、この予備費には、オープン後三カ月分程度の運転資金も含まれる。

成功がこれで決まる② ライセンスフードパッケージまたはFCパッケージでオープンする

二つ目のオープン方法であるライセンスフードパッケージというのは、私たちコロンブスのたまごとパートナーを組んでいる繁盛飲食店が持っているノウハウをライセンスするという方式だ。

全国には、数え切れないほどの超差別化商品を持った繁盛飲食店がある。もちろん、それらの超差別化商品は、それぞれのお店の経営者が独自のアイデアによつて開発したものだ。なかには長年試作を重ねた末にようやく開発に成功したという経営者もいるが、いずれにしろ、地域一番店の座を不動のものにする、圧倒的な差別化パワーを持った商品ばかりである。

飲食店の売り物はなんといっても商品だ。素晴らしい商品があるからこそ、サービスや雰囲気での差別化も図れる。いくらサービスや雰囲気がよくても、肝心の商品に価値がなければお客様は支持してくれない。商品力あっての飲食店なのである。

だから、商品(料理)に価値があるお店は長続きする。どんなに競合店が現れても、その商品力がお客様の支持をしっかりとくい止めるからだ。ただ、商品力というのは一朝一夕に我が物にすることができるものではない。独自の差別化商品を開発するには、アイデアや時間が必要だ。

そこで、私たちは、全国の超差別化商品を持つ繁盛飲食店経営者とパートナーを組み、それらの商品を全国どこでも成り立ち、かつ寿命の長い飲食店パッケージとして開発。差別化商品を持たないオープン希望者に提供しているわけである。

一方、FCパッケージとは、飲食FC (フランチヤイズチェーとに加盟してお店をオープンするというやり方である。

飲食FCビジネスの特徴は、店舗、商品・調理方法、サービス手法からお店の運営ノウハウまで、飲食店の経営に必要なすべての要素がパッケージされていることだ。要するに、FCに加盟すればだれでもが、飲食業のノウハウなしで簡単にお店をオープンすることができる、ということだ。

もちろんFCに加盟しても、地道な努力を重ねなければ本当の成功は得られないというのは、自力でオープンする場合と同じである。しかし、何のノウハウもなしにオープンするのと、必要なノウハウをすべて提供されたうえでオープンするのと、どちらが安心か。答えはいうまでもないだろう。

ライセンス方式にするか、それともFC方式を選ぶか。いずれにしても、成功を呼び込むための切り札を手にすることができる。

そこで、私たちは、全国の超差別化商品を持つ繁盛飲食店経営者とパートナーを組み、それらの商品を全国どこでも成り立ち、かつ寿命の長い飲食店パッケージとして開発。差別化商品を持たないオープン希望者に提供しているわけである。

一方、FCパッケージとは、飲食FC (フランチヤイズチェーとに加盟してお店をオープンするというやり方である。

飲食FCビジネスの特徴は、店舗、商品・調理方法、サービス手法からお店の運営ノウハウまで、飲食店の経営に必要なすべての要素がパッケージされていることだ。要するに、FCに加盟すればだれでもが、飲食業のノウハウなしで簡単にお店をオープンすることができる、ということだ。

もちろんFCに加盟しても、地道な努力を重ねなければ本当の成功は得られないというのは、自力でオープンする場合と同じである。しかし、何のノウハウもなしにオープンするのと、必要なノウハウを

すべて提供されたうえでオープンするのと、どちらが安心か。答えはいうまでもないだろう。ライセンス方式にするか、それともFC方式を選ぶか。いずれにしても、成功を呼び込むための切り札を手にすることができる。

成功がこれで決まる① オリジナルフードパッケージのつくり方

私が提案する、居抜き店舗を活用してお店をオープンするやり方は二つある。ひとつはオリジナルフードパッケージをつくる方法。もうひとつは、ライセンスフードパッケージまたはFCパッケージでオープンするやり方だ。ここではまず、オリジナルフードパッケージのつくり方について簡単に説明しておこう。

飲食店をオープンしたいと思っている人には、こんなお店をやりたい、あんなお店をオープンしてみたいといった、それぞれの希望の業種業態があるはずだ。飲食店ビジネスに大きな夢を懸けようとしているのだから、かなり具体的な青写真を描いている人も少なくないのではないかと思う。

そういう開店希望者のいろいろな要望をできるだけ取り入れながら、そこに立地特性や地域のニーズを加味して店舗力のあるお店に仕立てる。それが、オリジナルフードパツケージである。

こんなお店をやりたいと希望を持つことは大切だ。自分の夢を実現できるとなれば、意欲もパワーも湧いてくる。精一杯努力しようという気力がなければ、飲食店ビジネスで成功することはできない。

しかし、ビジネスは甘くはない。自分の思い描いた夢の通りに実現できるのなら、だれも苦労はしない。飲食店ビジネスの成功は、この夢と現実とのギャツプをいかに埋めることができるかにかかっているのである。

まず、やりたい業種業態があるといっても、問題はその業種業態が出店する立地特性に合っているかどうかだ。というより、 一般に素人の人は業種については考えても、業態発想がどうしても弱い。

業種業態については別項で詳しく説明してあるが、飲食店というのは業種だけで成り立つものではない。業種よりも大切なのが業態、つまり売り方である。お客様にとって大事なのは、何を食べるかよりもいくらで食べるかだ。そして、その予算は客層やその時の利用動機によって変わってくる。

したがって、確実に成功するお店をつくるには、その立地にどんな客層のどんな利用動機がたくさんあるのか、まずそこを徹底的に調べてターゲットを確定することが不可欠になる。

そのうえで、ターゲットとする客層と利用動機にもっとも受け入れられやすいメニューと価格、サービススタイル、内装などを検討する。そして、競合する他店の傾向をも勘案して、自店のコンセプトを固めていく。つまり業態を決定する。

こうして、あなたなりのオリジナルフードパッケージが出来上がるのである。

前のお店との違いを打ち出すには

前節では、前のお店と同業種同業態のお店をオープンするケースの、プラス面。マイナス面について考えた。ここでは、積極的に違いを強調する手法について考えてみよう。実は、前のお店との違いをアピールするというのは、居抜き店舗を活用する場合の、もっとも手堅い方法なのである。

たしかに、前のお店を踏襲するというのは、居抜き店舗活用の最大のメリットである。内装も設備機器も什器備品も、ほとんどすべてが揃っているのだから、これらを利用しない手はないというのが常識的な考え方だろう。しかし、もっとも大事なことは、確実に繁盛店に育て上げることである。それがオープンの目的だ。お店づくりのすべてが、その目的実現のために集中されていなければならない。そのうえで前のお店との違いを強調すべきだと判断したら、迷わずその方向に向かってコンセプトを組み立てていく必要がある。

また、いうまでもないことだが、前のお店の評判があまりよくなかった場合も、今度のお店は以前までとはまったく違う、魅力的なお店がオープンしたということを、強力にアピールしなければいけない。

その方法としてもっとも有効なのが、業態転換である。業種は同じままで、業態だけ変更する方法だ。といっても、極端な転換の必要はないし、それではむしろマイナスになりかねない。なぜなら、大幅な業態変更をするとなると、厨房はともかく、客席フロアにはかなりの手を入れなければならなくなる。

それをやつてもいいのは、どうしてもこの「場所」がほしいため、自分でいつたんカラ店舗にするつもりで居抜き店舗を借りるというケースだけである。つまり、前のお店から譲渡された内装などは最初から捨ててもいいと考えているオープン計画の場合で、 一般的なケースとはいえない。

通常の業態転換は、価格帯でも大きな違いは打ち出さないで行うのが成功しやすいやり方である。たとえば、以前はラーメン店(中華そば屋)だった居抜き店舗を活用するとしよう。これを高級中国料理店にするのではなく、居酒屋的な利用ができるカジュアルな中国家庭料理のお店に変えるといった方法だ。

ここで注意したいのは、業態を変えれば当然、ターゲットも変更することになるということだ。たとえば、 一般にラーメン店は若い客層が中心だ。今度つくるカジュアルなお店も若い客層を狙おうと思っているとする。それなら、ターゲツトは同じでいいのかというと、単純にそうはならないのだ。

なぜなら、想定する客層の年齢層はほぼ同じでも、業態が違えば利用動機が違うからである。利用動機の違いは予算の違いでもあるから、お客様の年齢層も変わってくる可能性が大きい。したがつて、業態転換する場合は、転換した業態のニーズがどれくらい見込めるのか、そこをしつかりと見極める必要があるわけだ。

前のお店の業種業態を生かすには

居抜き店舗の活用でもっとも手間がかからないのは、前のお店と同じ業種業態のお店にすることだ。これなら、かりに古くなっている内装などに多少手を入れるとしても、イスやテーブルといった什器備品類はもちろんのこと、厨房の設備機器類もほぼそのまま流用することができる。もっとも安上がりにできるオープンである。

実は、このやり方で繁盛している事例はたくさんある。なかには、前のお店と同じ店名で、看板も流用しているというケースさえある。こういうお店では、すぐには経営者が変わったと気づかないお客様がけっこういたりする。

ただし、この方法で確実に成功できるのは、前のお店がそれなりの繁盛店だった場合である。つまり、その立地には、この業種業態のお店に対するニーズが十分にあり、一則のお店は的確にそのニーズをすくい上げていたわけだ。だから、同じ価格帯で同じような付加価値を提供できれば、従来の顧客に支持してもらいやすい。要するに、一削のお店の店舗だけでなく、お客様の持っているプラスのイメージをも活用してしまおうということだ。そういう確かな見通しの元にお店づくりをすれば、成功の確率は高いといえる。

一方、業種業態は前のお店と同じだが、商品の内容やお店の雰囲気をガラリと変えるというやり方もある。ただ、このやり方の場合は、前のお店との違いを強調しているだけに、似たようなお店にする場合と比べて前のお店との比較をされやすい。

といっても、このことは別にマイナスになるわけではない。要は、その比較の結果、新しいお店のほうが価値があると思ってもらえればいいわけだ。たとえば、前のお店がとくに繁盛できなかつた場合など、このやり方のほうがはるかに適しているといえる。

お客様というのはつねに、新しいもの、新鮮に感じるものを求めているものだ。よく近所に新しいお店がオープンしたら、そちらにお客様を取られてしまつたという経営者の話を聞くが、それはまさにお客様の行動パターンなのだ。もっとも、本当に実力のあるお店なら、その時はちょつと浮気されたとしても、お客様はいずれまた戻ってきてくれるのだが。

いずれにしろ、前のお店の業種業態を生かすには、その業種業態のニーズが十分に見込めるということが絶対条件になる。この節では、前のお店が繁盛店だったケースと、そうでなかったケースの違いを取り上げたが、後者の場合では、その業種業態に対するニーズがあまり見込めなければ、同じ業種業態にこだわる意味はないのである。

居抜き店舗は、前の経営者がつくった店舗を活用できるところに魅力がある。したがつて、そのメリットを追求していけば当然、同業種同業態でのオープンということになるわけだが、それが可能かどうかの見極めが非常に重要な要素となる。

逆にいえば、いちばんいけないのは、たまたま見つけた物件の業種業態に安易に合わせてしまうことである。コンセプトなくして成功はないと肝に銘じておこう。

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著者紹介:宇井 義行
コロンブスのたまご 創業者・オーナー

学業のかたわら、18歳から飲食店で働きながら実践的な飲食業を学び、23~25歳で6店舗の飲食店経営を手掛け、超繁盛化。赤字店の1ヶ月での黒字化など奇跡を起こし注目を集める。 26歳の時、実践的な「飲食コンサルタント」として独立。個性的な店、地域一番店を目指し、情熱ある現場直接指導に力を注ぎ、 全国の飲食店3000店舗以上を指導。指導歴日本一のフードコンサルタントとして数多くの難問を解決。不振店を繁盛店へと生まれ変わらせる手腕は業界屈指のリーダーとして国内外で高く評価されている。