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営業方針の基本は地元密着

営業方針の基本は地元密着

最初に理解しなければいけないのは、飲食業とは本来、地元密着型のビジネスであるということだ。地元のお客様に愛され、熱烈に支持してもらうことこそが、息の長い繁盛の第一条件なのだ。

一方、昔から全国区といっていいほどの知名度を誇るお店も少なくない。ガイドブックなどでは必ず紹介され、お客様はそれこそ全国各地からやつて来る。最近はテレビや雑誌などで飲食店が紹介されることが多いため、そういうお店がどんどん増えているのは事実である。よほどのヘソ曲がりでない限り、飲食店の経営者をめざす人ならだれでも、自分のお店もあんな有名店にしたいと思うことだろう。そういう大きな夢を持つことは素晴らしいことだし、そういう可能性をだれもが持てるというところに、このビジネスの素晴らしさがあるわけだ。

しかし、マスコミでもてはやされる超有名店も、最初から全国区の人気店だったわけではない。スタートはごくふつうの飲食店だったというケースが圧倒的だ。それが全国区の人気店になれたのは、まず地元で評判を取ったからなのだ。地元の人たちの評判がロコミでどんどんと広がり、それがマスコミの目にも止まって紹介される。つまり、有名店とは地元密着のビジネスの発展した結果であって、基本はどこも変わらないということだ。夢は夢として、まずは足元をしっかりと固めなければならない。

地元密着型のビジネスが有利なのは、お客様の生活圏、または仕事圏内にお店があるからである。地元にあるお店は、お客様にとって利便性が高いし、何といっても安心感がある。それだけ来店頻度は高くなって固定客化しやすいわけだ。さらに、お店の評判も回コミで伝わりやすいというメリットも見逃せない。評判とは、料理がおいしいということだけではない。スタツフの対応の感じがいいとかゆつたりした気分になれるといったことが、大きな意味を持ってくる。

ただし、注意しなければいけないのは、ロコミの評判はマイナスになることもあるということだ。人間の性というのか、いい評判はなかなか伝わらないのに、悪い評判はあっと言う間に伝染してしまう。評判の根拠などどうでもよくなり、なんとなく敬遠されるようになってしまうのだ。これが怖い。

しかし、ロコミはいったんプラスの方向に向かうと、固定客づくりの強い味方になって、どんどん後押しをしてくれるようになる。そういうプラスの影響力を取り込むためにも、地元密着の営業方針を徹底する必要がある。

遠くからでもお客様を呼び込みたいという気持ちはわかる。しかし、遠くのお客様を呼び込むということは、言い替えれば、遠くのお店とも競合しなければならないということだ。競争相手が増えれば、経営を安定させることもむずかしくなる。まずは自店の地元で確固とした地位を築くことに集中しなければいけない。

著者紹介:宇井 義行
コロンブスのたまご 創業者・オーナー

学業のかたわら、18歳から飲食店で働きながら実践的な飲食業を学び、23~25歳で6店舗の飲食店経営を手掛け、超繁盛化。赤字店の1ヶ月での黒字化など奇跡を起こし注目を集める。 26歳の時、実践的な「飲食コンサルタント」として独立。個性的な店、地域一番店を目指し、情熱ある現場直接指導に力を注ぎ、 全国の飲食店3000店舗以上を指導。指導歴日本一のフードコンサルタントとして数多くの難問を解決。不振店を繁盛店へと生まれ変わらせる手腕は業界屈指のリーダーとして国内外で高く評価されている。