• +03-5436-8908
  • info@egg-recruit.com

居抜き店舗施工のチェックポイント

居抜き店舗施工のチェックポイント

店舗の工事に入ったら、できるだけ現場に足を運ぶこと。これが施エチエックの鉄則である。要するが山ほどある。

しかし、居抜き店舗の工事の場合は、通常は一部改装の工事である。新店舗での工事でのような、大型機器類の配置や配管関係といった大掛かりな工事はほとんどないのがふつうだ。したがつて、工事期間も短い。時間を取るのが大変と思うかもしれないが、そんなことは言っていられない。工事の後で後悔しても遅いのである。

もちろん、現場に足繁く通ったからといつて、やるべきことがたくさんあるわけではない。工事が設計図、工程表通りに行われているかチェツクするといつても、素人の日で判断できることは限られている。それでもできるだけ顔を出すべきなのだ。

実は、現場に顔を出すことの最大の目的は、工事の人たちと親しくなることなのである。仕事の出来不出来というのは、人間関係が微妙に影響するものだ。好感を持っている人からの仕事なら力も入るが、逆の場合はどうしてもいい加減になりがちなのが人間である。これは、お金を払って依頼しているのだからなどといってもどうにもならない問題で、サービス業である飲食店でさえ、多かれ少なかれそういうことはある。

だから、まず工事の人たちと親しくなって、好感を持ってもらうことが大切なのだ。缶コーヒーやちょっとした菓子でも差し入れして、「ご苦労さま、よろしくお願いします」と声をかける。たったそれだけのことでも、彼らの持つ好感度は違ってくる。つまり、工事の仕上がり具合も変わってくるということだ。

また、工事期間中なら、多少の手直しがきくということも指摘しておきたい。業者と念入りに打ち合わせをしたうえでの設計でも、実際に形にしてみるとちょつと違うということがよくあるし、ひょんなことから変更したほうがいいと気がつくこともある。

たとえば、ベンチシートの下に収納庫をつくるとか、厨房に棚をつくるといった細かいことだが、これがあるとないとでは、お店の使い勝手は大きく変わる。棚の大きさを変えたほうが使いやすいとか、もっと大きな棚をつけられるという場合もあるだろう。初めての人は、設計図を見ただけではなかなかわかりにくいものだが、工事が進んでくると、細部まで具体的にとらえることができるようになる。

そういう時、築いてきた人間関係が生きてくる。多少の追加料金は請求されるかもしれないが、それは仕方がない。ちょつとした棚ひとつつくるだけなら、無料でやってくれることだってあるのだ。

なお、工事に入る前には、必ず店舗の隣近所への挨拶をしておくこと。たとえ小規模の工事でも、騒音やらホコリやらで何かと迷惑をかけるのだ。挨拶するのは当然である。地域密着という意味でも、近隣にマイナスの印象を与えてはならない。

最後に施工契約の雛形を公開させていただく。

著者紹介:宇井 義行
コロンブスのたまご 創業者・オーナー

学業のかたわら、18歳から飲食店で働きながら実践的な飲食業を学び、23~25歳で6店舗の飲食店経営を手掛け、超繁盛化。赤字店の1ヶ月での黒字化など奇跡を起こし注目を集める。 26歳の時、実践的な「飲食コンサルタント」として独立。個性的な店、地域一番店を目指し、情熱ある現場直接指導に力を注ぎ、 全国の飲食店3000店舗以上を指導。指導歴日本一のフードコンサルタントとして数多くの難問を解決。不振店を繁盛店へと生まれ変わらせる手腕は業界屈指のリーダーとして国内外で高く評価されている。