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店舗繁盛の鉱脈を掘り当てる立地調査方法

店舗繁盛の鉱脈を掘り当てる立地調査方法

立地調査の目的は、その立地の条件が自分の考えるお店のコンセプトに合致しているかを判断することだ。

そして、居抜き店舗活用の場合は、二つの視点で考える必要がある。まず、前のお店の業種業態がその立地に適合していたのかという視点。もうひとつは、この立地ではどんな業種業態が成功しやすいのかという視点である。通常、居抜き店舗は、前のお店が経営に失敗して撤退した店舗だが、そこで確実に成功するためには、その失敗の原因を分析し、最適な業種業態を選択することである。

立地調査は二つの段階に分けて行うといい。まず、マクロの視点から立地の性格を大まかにつかむ。次に、その店舗物件に適合する業種業態を検討して、総合的に判断するわけである。

マクロの視点の調査ではまず、物件を中心にして商圏を設定する。商圏の範囲は前のお店の業態の範囲からスタートするが、その業態に無理があると判断したら、自分の考える業種業態で設定し直す必要がある。

ここで、参考までに、業態別の標準的な商圏人口と来店所要時間の目安を挙げておこう。なお、所要時間は徒歩だけでなく自転車やクルマも考慮に入れる必要がある。

上記はあくまで目安であって、この条件を満たさなければ成功できないということではない。とくに客単価の高い業態の場合、立地によつてはもっと少ない商圏人口と所要時間で成り立つケースが少なくないが、その辺の見極めは素人では無理である。

さて、商圏は物件から周辺に向かつて、1次商圏から3次商圏まで設定する。標準所要時間の半分のエリアを一次、ぎりぎりのエリアを2次とし、2次商圏の1.5倍程度の所要時間のエリアまでを3次商圏とするといい。

調査は、この商圏内をくまなく歩いてみることからスタートする。それも、いろいろな曜日、時間帯、天気と条件を変えて歩いてみる。そうすると、その街の様子や人の動きを大まかにつかめるようになる。

次に、地元の役所や商工会などに出向き、人口動向(人口構成、世帯数、年齢構造、男女比など)や消費水準、職業構成などを調べる。とくに事業所は一軒で多数の人数がいるから、注意して調べることだ。

また、立地条件は再開発や大型商業施設のオープンなどで大きく左右される。したがって、街の将来像を自然につかんでおくことも非常に大切な調査になる。商圏の内外にどんな飲食店が何軒営業しているのかも調査する。これがマクロの視点の調査である。

街の様子が大体つかめたら、次はミクロの視点の調査=物件自体の調査に移る。この調査は店前通行量調査が中心になるが、単純に一日の通行量を調べればいいというものではない。自店のターゲットがどれくらい存在するのか、そこを調べなければ意味がない。これは非常に重要なポイントだ。

店前通行量調査の時間帯は一時間ごとに区切り、予定している営業時間帯の前後一時間まで調べること。ただし、フアーストフードなど店前通行量が直接集客力を左右する業態以外の場合は、カウンターまで使用する必要はない。人数は概算でいいから、男女別、年齢別、職業別といった客層の特徴をできるだけ性格につかむことが大切だ。また、飲食店の売上は曜日で大きく左右されるから、平日、土曜日、日曜・祭日の三回は調査する必要がある。

もうひとつ重要な調査は、競合店調査である。店舗の立地条件として問題がなくても、有力な競合店が多数ひしめき合っているのでは大変だ。マクロの視点の調査で、ある程度どんなお店があるのかはつかんでいるはずだが、最後にもう一度、綿密な競合店調査をする必要が出てくる。競合店と目されるお店はすべて、お客様として利用してみるといい。実際に商品も食べてみることで、そのお店の実力だけでなく、お客様がどんなお店を求めているのかもつかむことができる

著者紹介:宇井 義行
コロンブスのたまご 創業者・オーナー

学業のかたわら、18歳から飲食店で働きながら実践的な飲食業を学び、23~25歳で6店舗の飲食店経営を手掛け、超繁盛化。赤字店の1ヶ月での黒字化など奇跡を起こし注目を集める。 26歳の時、実践的な「飲食コンサルタント」として独立。個性的な店、地域一番店を目指し、情熱ある現場直接指導に力を注ぎ、 全国の飲食店3000店舗以上を指導。指導歴日本一のフードコンサルタントとして数多くの難問を解決。不振店を繁盛店へと生まれ変わらせる手腕は業界屈指のリーダーとして国内外で高く評価されている。