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健康志向に応える食事メニュー開発

健康志向に応える食事メニュー開発

お客様の健康を預かる飲食店として、健康志向の高まりを無視することは絶対にできない。そんなことはだれにでもわかる。実際、健康志向に対応したメニューづくりに取り組むお店が増えているが、これはなかなかむずかしい問題である。なぜむずかしいのかというと、お客様は健康になりたくて飲食店を利用しているわけではないからだ。

たとえば、脂肪分の取り過ぎが体によくないことはだれでも知っている。では、だれも天ぷらやとんかつを食べないのかといえば、そんなことはない。ベーシックな人気メニューである。焼肉店でも脂肪マグロも赤身よりもトロということになる。

外食はだれにとってももっとも身近なレジャーである。レジャーである以上、おいしく満足感のある料理でなければ意味がない。明らかに病気を抱えている人は別にして、健康にいいメニューばかりを求めているわけではないのである。

しかし、勘違いしてはいけないのは、とんかつやトロのすしに人気があるのは、それらを毎日食べるわけではないからなのだ。たまにしか食べない。だから、カロリーや脂肪分などが気になる中年世代の人たちも、一見平気で食べているのである。つまり、健康を無視しているのではないということだ。

そこで大事になるのが、自店のお客様にとっての「ヘルシー感」とは何かということだ。自店のターゲットは、食と健康のどの部分にもっとも関心を抱いているのか。そこを見極める必要があるわけだ。何でもかんでも健康によければいいというものではない。

また、いくら健康にいいメニューといっても、味が悪ければ食べてくれない。ヘルシー感があって、しかもおいしく満足感がある。健康志向に対応していくには、そういう商品を開発しなければいけないのである。たとえば、揚げ油に配慮しただけで繁盛しているとんかつ店がある。

焼肉店でも、従来型のヘビーな業態よりも、焼肉以外のライトなメニューを充実させ、居酒屋的な利用動機を取り込んだ新しい業態が伸びている。自店のメニューのなかで、どこをどう変えられるのか、また、どう変えれば効果があるのか。じっくりと検討することだ。

参考までに、ヘルシー感のアピール手法の例を紹介しておこう。

・ネーミング
一般の料理との違い、つまり健康に配慮した料理だということをひと目でアピールできるメニュー名を工夫する。野菜類などヘルシー感のある素材をメインにする場合は、その食材名をうまく取り入れると効果的なネーミングになる。

・料理の彩り
一般に、野菜の緑色はヘルシー感を感じやすい色といわれるが、食欲をそそる色である赤や黄色など、明るい色と組み合わせると効果的とされる。

・食材
野菜はもちろんのこと、肉類なら鶏肉とか魚介類なら自身魚など、食材自体にヘルシー感のある素材を意識して使う。

・調理法
たとえば、野菜というと生のサラダというイメージがあるようだが、生のままだと健康的なイメージはあっても、実は量が食べられないという欠点がある。煮物や和え物が主体の和食が見直されているのは、味はもちろんのこと、火を通すことによって野菜をたくさん食べることができるからだ。また、肉や魚も、フライではなく焼く、蒸す、スモークするなど、調理方法を工夫することで、かなリヘルシー感が高くなる。

・調味料
塩分、油分の使い方に十分配慮し、そのことをメニュー表などでも積極的にアピールする。なお、できるだけ添加物を使わないことが理想だが、加工品を材料に使う場合は、その材料に含まれていることもある。しかし、健康食品を売るのではないのだから、必要以上に神経質になることはない。極力添加物を使わないという姿勢で十分だろう。

・食器
食器のイメージは大いに利用したい。 一般に自は無難でヘルシーな色とされるが、もっともありふれているだけにアピールカに欠けることもある。料理によつては淡い色合いの絵皿とか、クリスタル系や木製の器なども効果的だ。

著者紹介:宇井 義行
コロンブスのたまご 創業者・オーナー

学業のかたわら、18歳から飲食店で働きながら実践的な飲食業を学び、23~25歳で6店舗の飲食店経営を手掛け、超繁盛化。赤字店の1ヶ月での黒字化など奇跡を起こし注目を集める。 26歳の時、実践的な「飲食コンサルタント」として独立。個性的な店、地域一番店を目指し、情熱ある現場直接指導に力を注ぎ、 全国の飲食店3000店舗以上を指導。指導歴日本一のフードコンサルタントとして数多くの難問を解決。不振店を繁盛店へと生まれ変わらせる手腕は業界屈指のリーダーとして国内外で高く評価されている。