• +03-5436-8908
  • info@egg-recruit.com

脱サラ飲食店で成功するポイント

脱サラ飲食店で成功するポイント

飲食業は昔から、脱サラの人たちにとってのいちばんの独立の舞台になっている。多くの人たちが成功を手にしているが、残念なことに失敗例も少なくない。しかし、心配することはない。なぜなら、失敗する主な原因がわかっているからである。

失敗した人たちが口を揃えることの第一は「簡単に儲かると思ったのに……」ということだ。ふつう異業種への転職というのは、何かと不安なものだろう。全然知らない業界ではたしてやつていけるのか。そう思って当然だ。ところが、飲食業は違う。

サラリーマンにとつて、飲食店は非常に身近な場所である。毎日のランチはもちろん、商談や接待にも使うし、仕事帰りには一杯やってウサを晴らしてきたなじみの場所だ。お店の人たちの仕事ぶりも見ている(つもり)。そこで、で」れくらいの仕事だったら自分でも簡単にできるだろう」とタカをくくってしまうのである。

また、粗利益率が高いから、手っ取り早く儲かるだろうという短絡的な発想も命取りになる。たしかに、飲食店の粗利益率は群を抜いて高い。しかし、そのメリットも、お客様が入ってくれなければ意味がない。外食ニーズが絶対になくならないことは飲食業の強みだが、競争があるということを忘れている。多くのお店がしのぎを削っているいまの飲食業界で、開店さえすれば儲かるなどということはあり得ないのだ。

もうひとつ、脱サラの人たちの多くに共通するのは、管理社会から逃げ出したいという気持ちである。組織の歯車として働くのがイヤになったという気持ちは理解できる。しかし、これは経営なのだ。いくら粗利益率が高くても、利益は級密な原価管理なくして確保できないし、リーダーシップを発揮してスタッフを管理していかなければならない。しかも、今度は一雇われの身ではない。すべての責任を負わなければならないのだ。

これらが、脱サラで失敗する主な原因だが、逆に言えば、この轍を踏まなければ成功の確率が高いということになる。失敗の原因をひと言で言えば、要するに飲食業というものを甘く見ていたわけだ。手っ取り早く儲かるだろうなどという甘えが通用するビジネスなどないのだから、別に飲食業が特別むずかしかったということではないわけだ。

飲食店の仕事は、はたで見るよりも大変な肉体労働である。長時間立ちっばなしで休日も少ない。調理など技術的習練も不可欠だ。また、粗利益率は高いが、お店を運営するには材料原価以外の経費がかかる。大きな売上高も、お客様一人一人の小さな売上高の積み重ねであり、売上高を大きくするには、一人でも多くのお客様の支持を得られるように努力しなければならない。

それらしくやれば手っ取り早く儲かるどころか、地道なビジネスなのである。しかも、お客様の信用を得るのは大変だが、失うのはあっけないほど早い。脱サラの人たちの成功ポイントは、このビジネスを正しく理解するということに尽きる。と同時に、積極的に勉強して、飲食業についての知識を豊富にすることも大切だ。

著者紹介:宇井 義行
コロンブスのたまご 創業者・オーナー

学業のかたわら、18歳から飲食店で働きながら実践的な飲食業を学び、23~25歳で6店舗の飲食店経営を手掛け、超繁盛化。赤字店の1ヶ月での黒字化など奇跡を起こし注目を集める。 26歳の時、実践的な「飲食コンサルタント」として独立。個性的な店、地域一番店を目指し、情熱ある現場直接指導に力を注ぎ、 全国の飲食店3000店舗以上を指導。指導歴日本一のフードコンサルタントとして数多くの難問を解決。不振店を繁盛店へと生まれ変わらせる手腕は業界屈指のリーダーとして国内外で高く評価されている。